ビジネスを運営する中で、リーガルチェックや法的トラブルの対応などを弁護士に依頼することがあります。その際、弁護士費用が発生しますが、会社の経費として計上できるのか気になっている方もいるでしょう。実は、企業や個人事業主が支払った弁護士費用も必要経費に計上することは可能です。
そこで今回は、弁護士費用を仕訳する際の勘定項目、必要経費にならないケースについて解説します。また、弁護士費用を抑えたい時に加入しておきたい、おすすめの弁護士保険もご紹介します。
弁護士費用の勘定科目とは
弁護士費用も、業務に関係する内容での支出であれば必要経費にすることが可能です。弁護士費用は、主に支払報酬料、支払手数料、業務委託費などの勘定科目で仕訳します。
どの勘定項目で仕訳するかは、特に決まりはありません。定期的に弁護士に業務を依頼する場合は、帳簿を見やすくするために同じ勘定科目を使うことをおすすめします。では、弁護士費用を仕訳する際の勘定科目について詳しく見ていきましょう。
支払報酬料
弁護士に業務を依頼して報酬を支払った時は、支払報酬料を用いて仕訳します。弁護士が専門とする業務に加えて、専門外の雑務も同時に依頼した場合も、支払報酬料としてまとめて仕訳することが可能です。
報酬と雑務の費用をまとめて仕訳する際は、備考欄に「報酬○万円、雑務○万円×○日」など明細を記録しておくと良いでしょう。
支払手数料
取引や契約により弁護士に手数料を支払った時は、支払手数料を用いて仕訳します。弁護士費用以外にも仕訳する手数料が多い場合、支払手数料と記載しただけだと何に対する支出なのかわかりにくいです。
帳簿を見返した時に何に掛かった手数料か把握しやすいように、補助科目に「弁護士費用」と記載しておくと安心です。
業務委託費
業務を弁護士に委託した意味で、弁護士費用を業務委託費として仕訳することも可能です。ただし、この勘定科目は弁護士だけではなく、業務を外注した際に発生するすべての経費の仕訳に用いられます。そのため、外注をよく利用している事業者は、どれがどの業務委託で支払った経費なのかわかりにくくなる可能性がある点に注意が必要です。
支払手数料と同じく、補助科目に「弁護士委託」などわかりやすく記載しておくことをおすすめします。外注サービスの利用頻度が多い場合は、別の勘定科目を使って区別するのも良いでしょう。
必要経費にならない場合もある
弁護士費用も必要経費にできないケースもあるので注意してください。上記でも述べたとおり、必要経費にできる弁護士費用は業務と関係がある場合に限られます。
民事事件であれば、業務を行う上で発生するトラブル、業務のために用いる資金に関するトラブルの解決で弁護士に依頼した際に発生する弁護士報酬などは、必要経費に算入可能です。例えば、取引先から債権回収をする、取引先の過失で損賠賠償を請求する、賃借者と原状回復工事費の負担割合で揉めている時など、これらのトラブル解決に掛かった弁護士費用が該当します。
しかし、業務用資産の取得、業務用資産の譲渡、税務訴訟、他者からの損害賠償金の請求・罰金に関するトラブルの解決で発生した弁護士費用は、事業所得などの必要経費にできません。
例えば、業務用資産の取得での紛争解決で掛かった費用は、資産の所得費と扱われます。弁護士費用もその所得費に加算され、減価償却により費用化されます。業務用資産の譲渡での紛争に掛かる費用は、山林所得や譲渡所得で計算し、控除するので事業所得や不動産所得といった必要経費に扱われません。
国税に掛かる加算税など租税公課に関するトラブル、他者の権利を侵害したことで損害賠償金を請求された、罰金が科せられたといったトラブルに掛かる弁護士費用も経費から外れるので注意してください。
ちなみに、刑事事件の解決を弁護士に依頼した時は、無罪が確定すれば弁護士費用を必要経費に算入可能です。必要経費に算入する年は、無罪が確定した年、または弁護士費用を支払った年になります。逆に事業者側が有罪となった場合は、必要経費に算入できません。
弁護士費用を必要経費にできないとなると、金銭的な負担は大きくなります。しかし、弁護士保険に加入しておけば、万が一に経費に計上できないトラブルが発生した際も金銭的な負担を軽減できるので安心です。
法的トラブルを抱えている企業は多い
日本弁護士連合会が公開した「中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書(2008年)」によると、中小企業の約8割が法的トラブルを抱えていると認識しています。しかし、トラブルが発生した際に相談できる弁護士がいる中小企業の割合は、わずか3割程度と少数です。
ビジネスでは法的トラブルが起きやすいと理解しながらも、弁護士に相談しやすい体制にできない理由の一つが、弁護士費用の負担です。弁護士費用は弁護士事務所によって大きく異なり、また事案によっては高額な費用が掛かってしまうので、弁護士への相談に高いハードルを感じている事業者も少なくありません。
そこでおすすめしたいのが、弁護士保険への加入です。毎月保険料を支払うことで、相談料や着手金といった弁護士費用の一部を補償してもらえます。
支払いの負担が減ることで、トラブルが起きた時、すぐに弁護士に相談して早期解決する体制を構築できます。毎月支払う保険料は弁護士費用と比べて割安なので、無理なく払い続けることが可能です。
法人向けの弁護士保険なら事業者のミカタ
事業におけるトラブルに対する補償を受けたいのであれば、法人向けの弁護士保険に加入しなければなりません。法人向けの弁護士保険を探しているのであれば、おすすめは「事業者のミカタ」です。ここで、事業者のミカタのプランや保険料、補償範囲についてご紹介します。
プラン
事業者のミカタは、標準プランと法律相談料保険金不担保プランのどちらかを選択できます。標準プランは、法律相談から問題解決に向けた事務処理までを弁護士に依頼した際に発生する費用が補償されます。相談する弁護士がいない事業者に最適です。
法律相談料保険金不担保プランは、法律相談料の補償をなくす代わりに、通常プランよりもお得な保険料になる料金プランです。こちらはすでに相談先となる顧問弁護士がいる事業者に適しています。
保険料
保険料は選んだ料金プランによって異なります。標準プランと法律相談料保険金不担保プランのどちらもライト、スタンダード、プレミアムのいずれかを選択して、加入することが可能です。
・ライトタイプ(通算限度額500万円)
標準プラン:月払7,000円(一括払76,390円)
法律相談料保険金不担保プラン:月払5,160円(一括払56,280円)
・スタンダード(通算限度額1,000万円)
標準プラン:月払9,870円(一括払107,620円)
法律相談料保険金不担保プラン:月払6,180円(一括払67,410円)
・プレミアム(通算限度額2,000万円)
標準プラン:月払19,940円(一括払217,490円)
法律相談料保険金不担保プラン:月払9,880円(一括払107,810円)
安くて月々5,000円台から加入でき、高いプランでも月々2万円程となっているので、リーズナブルで加入しやすい弁護士保険です。
補償範囲
事業者のミカタの補償範囲は、著作権侵害・知財関連のトラブル、事業承継のトラブル、退職・解雇・残業代等の労務トラブル、代金・債権回収のトラブル、返金・損害賠償請求、賃貸物件に関するトラブルなど、事業全般の法的トラブルとなっています。事業経営における幅広いリスクに備えることが可能です。
加入することで、法律相談料や着手金といった弁護士費用の約70%を削減できます。事案や年間によって限度額はありますが、保険金の支払いに対する回数制限がないので、気軽に弁護士を利用できるようになります。
弁護士保険に加入して法的トラブルに備えよう
弁護士費用は経費にできるケースとできないケースがあるので、どこまでが経費に算入できるのか範囲を理解しておくことが大事です。弁護士費用は高額になるケースもあり、金銭的な負担が生じます。弁護士費用の負担を軽減できる弁護士保険に加入していれば、弁護士が必要になった時も安心です。
事業者のミカタは保険料がリーズナブルで、自分に合ったプランを選択できます。弁護士直通ダイヤルや弁護士紹介サービスなど、気軽に弁護士に相談できる付帯サービスを利用できるのも魅力です。もしもの法的トラブルに備えて弁護士保険に加入したい時は、事業者のミカタを検討してみてください。
※当記事の仕訳については、全てのケースが当てはまるわけではありません。
詳しくは、税理士や会計士にお尋ねください。
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